えんためのぼやき

靴下に振り回されない人生を提供するBLACKSOCKS のサービスが面白い!

日記

1999年に誕生したBLACKSOCKS.comをご存じだろうか。同社はソックス(socks)をサブスクライブ(subscribe)するという画期的なサービス「ソックスクリプリション」(Sockscription)をワールドワイドに展開しており、このサービスは既に75カ国6万人もの人々に利用されている。

Sockscriptionの概要

このサービスの中身はいたってシンプルだ。
まず、どの靴下をどれだけ欲しいのかを決める。

例えば、3ペアの黒靴下を1年に3回ずつ欲しいと思えば、
-申込直後にあなたの郵便ポストには3ペアの靴下が届く。
-4か月後には、新たな3ペアの靴下が郵便ポストに届き、
-8か月後には、また新たな3ペアの靴下が郵便ポストに届くのだ。
-11か月後にはこのソックスクリプションを更新の有無を決め。
-12か月後にはその選択に基づいて、契約が更新されるというわけだ。

sockscription1.jpg

サービスの起源

創業者のサミー・リヒティー(Samy Liechti)は大学卒業後、広告代理店に就職し、新人コンサルタントとして不慣れなビジネスの世界で奮闘していた。そんなある時、彼は日本の取引先と会合を持つ機会を持ったのだ。とても重要な会合であると意気込み、彼は気合いを入れようと、黒い靴下をピッと足にまとわせ、パリパリの白シャツを着こみ、ネクタイを堅く結んだ。彼にとってそれはプライドと自信を体現するためのものだったからだ。

会合は期待通りに進める事が出来た。そして最終的に、彼らは会合の妥結の席として、お茶会に招かれたのだ。そこでは当然のことながら、日本のしきたりに従うため、靴を脱ぐ必要があった。

そしてそこで、それは 起こった。屈辱の極みである。その露骨すぎる失態は容易に見過ごされるレベルではなかったはずだ。

左足の先から靴下の繊維を突き破って親指が顔をのぞかせていたのだから!

sockscription

蓮華座を組み、足先を必死に隠そうと必死になりすぎて、気のきいた会話も出来ずにてんやわんやになっているサミーを、彼の上司も日本の取引先もやり過ごす事は出来なかったはずだ。とりわけ日本の取引先は彼の事をだらしがなく、落ち着きのない人間だと思ったに違いない。彼の頭の中には「いまいましい 靴下めがっ!」という思いだけが反芻していた。

彼はこの厳しい試練から生還したのち、忌々しい靴下がもたらす屈辱をこの世界から取り除くという運命に身を投じていく事になるのだった。これからまもなくソックスクリプションというアイデアが生まれたのは想像に難くない。

ソース:(http://www.blacksocks.com/en/thebirthoftheideaen.htm)

誰よりもスマートにソックスを

smartsocks1.jpg

近年、ソックスクリプションの次に同社が打ち出したのが、スマートソックスだ。ソックスにIDを埋め込み、専用のデバイスを使ってID情報を読み取り、その情報がiPhoneに送信され、一目でそのソックス情報を視認する事が出来る。 ユーザーはどのソックスが真のペアなのかを迅速に判別し、さらに、何回洗濯機にかけたのか、いつ製造されたのか、いつ注文したのか、いつ発送されたのか等の情報をソックスごとに知る事が出来る。 また、気のきいた事にiPhoneのカメラを利用してソックスの黒さが適切かどうかを判別する機能をも有している。 サミー氏が夢にまで見たスマートソックスが全て実現されているのだ。これによってソックスにまつわる不幸から多くの人が解放される事は間違いない。

「失敗は発明の母」であるとよく言う。だからこそ失敗を恐れるな!という言葉が力強く叫ばれるのだ。しかし、私は思う。失敗は恐れるべきだと、失敗は全力で回避すべきだと。しかし、それでもなお失敗というのは否応なしに顔を出すのだ。そう、サミー氏の親指のように。その失敗を目の当たりにし、膝から崩れ落ちるような敗北感と屈辱感を味わった時、それが発明の原動力になるのだ。時にサミー氏のアイデアは狂気で滑稽だったかもしれない。しかし、ソックス一つで6万人を巻き込む事が出来た事もまた厳然たる事実だ。靴下の穴から広がる世界は無限大であったということか。私もどこかにある穴を見つけてみたいものだ。
余談
面白半分で書いていたらいつの間にかソックスに取り憑かれていました。
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こでんまる said:

No title

とても面白い記事です!!
ソックスリプション、勉強になりました!
ソックスまで「物のインターネット」になるとは驚きです。
ぷっつん said:

≫こでんまるさん

ありがとうございます!
まさに「物のインターネット」の最たる例ですよね。
アイデアが振りきれているなぁと思います。
スマートソックスの場合、まだデバイスの操作とかが煩雑ですけど、どんどん操作が削ぎ落されていって人間の生活に無音で入ってくるようになれば、これが当たり前になる未来はありえると思っています。
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