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    ミスター・ノーバディ

    考えさせられる洋画

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    基本情報
    出演
    ジャレッド・レト、サラ・ポーリー、ダイアン・クルーガー
    監督・脚本
    ジャコ・ヴァン・ドルマル
    公開
    2011年
    あらすじ
    2092年、化学の進歩で人間は永遠の命を持つようになっている。そんな中、118歳のニモは唯一の命に限りある人間だった。誰も彼の過去を知る者はいない。彼は“ミスター・ノーバディ”なのだ。病院のベッドで死を目前にしたニモの脳裏に、さまざまな人生の局面、岐路、選択が次々にフラッシュバックする。

    予告編を見る

    感想

    最先端の量子力学や一般相対性理論が導く「実在」の面白さを知ってからというもの、時間遡行や平行世界を題材とするSF映画を観る時の気構えが大きく変わりました。もう単なるフィクションとしてではなく、実際に存在しえるかもしれない物語として捉えてしまうのです。そして、そういった作品の映画監督や脚本家も天才的な物理学者達の描き出す理論に胸を躍らせて映像作品を創っていたんだろうなと想像すると勝手に楽しくなってきちゃいます。

    そして、この「ミスター・ノーバディ」もまた最先端理論が導くであろう世界の捉え方を基に物語が展開されていきます。

    個人的にこの映画がユニークだなと思うのは、「ひも理論」という物理学理論を基に世界観を演出しているところです。

    超ひも理論とは1980年代半ばに展開された比較的新しい理論です。 物体が非常に重い時に重力が及ぼす影響を記述できるのが一般相対性理論。 物体が非常に小さい時の微視的現象を記述できるのが量子力学です。

    では小さくてなおかつ重い物体があった場合はどうするかというと、一般相対性理論と量子力学の両方を使わなければなりません。しかし、両方の理論を合わせて当てはめていくと、解析が途中で破綻してしまうそうで、これがいわゆるブラックホールやビックバンといった極端に大きな質量が小さいサイズに押し込められている領域の謎というわけです。

    そして、ここに現れたのがひも理論で、ひも理論によれば、粒子は点ではなく"ひも"です。例えば今まで点と思われていた電子の構造をよくよく見てみるとそこには"ひも"があり、それが振動しているらしいのです。そしてそのひも自体は異なる粒子であっても全て同じで、振動のパターンの違いによって性質の違いを生み出しているというのです。このひも理論を使えば前述の一般相対性理論と量子力学の双克を補完する事が出来るかもしれないという事で長年にわたって注目されているのです。

    ここから一気に僕の様な一般人には理解不能な領域になってくるのですが、ひも理論が数学的な欠陥を伴わずに現実世界を記述するためには時空次元が10次元でなければなりません。 具体的には空間が9次元と時間が1次元であればひも理論の方程式が問題無く解けるというわけです。

    そして、やっと映画の話ですが、このミスターノーバディーでは我々が体験している上下・左右・前後・時間という4次元の他に余剰次元として時間次元がもう一つあったらどんな事があるんだろうという発想で作品を創っています。時間次元が2つというのはひも理論でも想定していない事なので、ここがこの映画をSFたらしめているポイントです。ひも理論自体が多世界解釈を想像せずにはいられないものなのに、そこに輪をかけて時間次元が2つあるというのは平行世界の考え方とも少し違うような極めて不思議な世界観です。

    mrnobody.jpg mrnobody1.jpg

    人には必ず自分の運命を分岐させていくであろう決断をしなければならない時があります。しかし、もしその決断を保留するという決断をする事が許されたなら、その人物にはもう一つの時間次元が付与され、決断をしていれば訪れたであろう自分の運命を追体験しながら生きるという事が出来るのかもしれません。

    また、この映画では他にも熱力学のエントロピーの法則を「秩序あるものは無秩序へと向かう」という哲学的な解釈に敷衍して映画的な深みを出したり、宇宙大収縮によって時間の進みが無くなった世界を描いてみたりと、ひっちゃかめっちゃなところは沢山あります。そして、結局この主人公は何者だったんだというのは解らずじまいで終わってしまいます。

    でもそんなサイエンスな領域にフィロソフィーを感じたい僕の様な文系人間にはこの映画の監督にシンパシーを抱かずにはいられないわけです。自分の脳の中にある実在の感覚とサイエンスの中で位置づけられる自分の実在が互いにオーバーラップしたかと思えば乖離し、そしてまた重なり合ったときの快感、この一種の麻薬的な魅力にこの監督もハマっているに違いないと思い、勝手に親近感を持ってしまうのです。

    その点でこの映画はサイエンスに対する憧憬と畏敬の念が入り混じったSFにしては稀有な作品ではないかなと思います。

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    まとめtyaiました【ミスター・ノーバディ】

    基本情報 出演ジャレッド・レト、サラ・ポーリー、ダイアン・クルーガー 監督・脚本ジャコ・ヴァン・ドルマル 公開2011年 あらすじ2092年、化学の進歩で人間は永遠の命を持つようになっている。そんな中、118歳のニモは唯一の命に限りある人間だった。誰?...

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    Secret

    kitaco said:

    No title

    ぷっつんさん、本当に文系人間な方ですかっ!?Σ(゚∀゚ノ)ノ
    ぃやあ、スゴイです!
    そういえばニモがアレコレ理論を説明してましたよね。
    ひも理論がベースだったんですね!う~ん、気づかずに観ていた自分がお恥ずかしいです(笑)
    それらを理解できたら、きっともっと楽しめる映画なんですね♪
    ぷっつん said:

    ≫kitacoさん

    あのニモのナレーション結構面白い事言ってましたよね。
    次元がどうたらこうたらとも言っていたので、脚本に時間かかってるだけの事はあるなという感じでした。
    実際、僕の場合は楽しめたというよりこの監督サイエンスファンタジー好きなんだなぁっていう親近感なんですよね。
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