えんためのぼやき

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    Biutiful / ビューティフル

    悲しくなる洋画

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    基本情報
    出演
    ハビエル・バルデム、マリセル・アルバレス、ハナ・ボウチャイブ、ギレルモ・エストレラ
    監督・脚本
    アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
    公開
    2011年
    あらすじ
    スペイン、バルセロナに暮らすウスバルは、2人の愛する子どもと情緒不安定でドラッグに頼る妻を養うため、麻薬取引や移民の不法労働の手配など、違法な仕事にも手を出してきた。そんなある日、自身が末期ガンにおかされていることを知ったウスバルは、家族にその事実を隠し通そうとするが……。「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作。ハビエル・バルデムが第83回米アカデミー主演男優賞にノミネートされた人間ドラマ。

    予告編を見る

    感想

    この映画の舞台がスペインのバルセロナだなんて信じられない。

    フランス映画の「スパニッシュ・アパートメント」で描かれたスペインのバルセロナはスペイン独特の熱に浮かされたような雰囲気がとても魅力的な町でした。 (考えてみればエラスムス計画によって留学した半エリート学生から見たバルセロナなので仕方ないのかもしれませんが、、、)


    しかし、この映画でのバルセロナはとてもどんよりとしています。子供を養い生きて行く事に必死な外国人労働者や、その労働者達に警戒心と猜疑心の目を向けるスペイン人が、何か居心地の悪い不調和をもたらしています。


    事実この映画は近年ヨーロッパで財政赤字を抱える「Pigs」の一角として揶揄されていたスペインの実情をよくあらわしているのかもしれません。 新聞紙面からでは知ることの出来ないヨーロッパの苦しさが垣間見えたように思います。

    この映画はそんなバルセロナで不法労働者への仕事の斡旋業をしている男の物語です。 つまり、スペイン・バルセロナの焦げ付きを知っている男というわけです。

    これまでスペインは多くの移民を受け入れていましたが、財政赤字や国内産業の停滞により失業率が今年は20%というにわかに信じがたい数字になりました。しかも若年層の失業率は40%です。そうなれば真っ先に邪魔者扱いされるのは外国人労働者といことになります。しかし、それでもアフリカや中国から来る労働者は母国よりもマシな賃金を貰えるスペインで不法労働するのです。要するに、スペインがEU市場への入り口としてみなされているようです。


    そういった過酷な現状の中でそれぞれが「幸福」へ向かって歩んでいくためには他人の「幸福」を犠牲にしなければならない時があります。

    17656.jpg

    自分の子供を養うために誰かからお金を搾取しなければならない。 子供の為にという健全な動機であっても、結局そのしわ寄せを食らうのは立場の弱い末端の労働者です。


    この映画はそういった現代社会の薄暗い現状を浮き彫りにしていきます。そして、ウスバルの持つ霊能力を通じて描き出す死生観が暗い現代社会へのある種の救いとして提示されているように思います。

    すなわち、どんなに未練があろうとも残すべきものはお金やモノではなく、他者の中の自分の記憶であるという事です。

    現世への未練が自分の子供であれば、子供に対ししっかり愛情を注ぎ、会話をして、彼らが一人で生きて行けるようにしなければならない。その子供の中に無償の愛を注いだ父親という存在がいたという記憶を残さなければならないのです。そして、それだけがウスバルが現世に残せる唯一の財産になりえたということです。


    ウスバルは面識もなかった自身の父親の死体と初めて対峙した時に父親という存在自体の特別さに気付いたのだと思います。

    ただウスバル自身未練を断ち切る事の確信を得て死んだわけではないので、あの世で父親を見た時に、自分なりの生を全うしてあの世に来れた事に安心できたのでしょう。


    体裁だけが美しさの本質ではない。お金や地位や名誉といったものからは程遠い人々であっても、家族や子供との間に生まれる当人達でしか共有の出来ない美しさが存在している事を、この映画のスペルミスをしているタイトルが言い表しているのではないでしょうか。

    余談

    あの世は雪国なんですね。 ピレネーに行って雪を見ることが出来なかったマテオもいつか必ず雪国に行けるわけです。 すこし怖い話ですが笑

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    スペインの墓地は日本とは大違いで↑の写真のように縦に積み上げて埋葬していくようです。文化的な違いに驚きました。

    しかもお墓の土地を買うのではなく、賃貸料を払って墓地を使うので、火葬文化ではないスペイン人にとってその継続的な賃貸契約料は負担になってしまうそうです。だから劇中でも父親の遺体を火葬して賃貸料の節約をしたのではないかと思います。経済的な問題が彼らの埋葬の文化すら変えて行く事も、現在の悲しい状況の一つなのだと思います。

    もちろん衛生面を考えても火葬の方が合理的かもしれませんが、火葬が文化として根付いていない国の人にとっては無意識の中に故人に対する罪悪感の様なものが生まれていると思います。

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