えんためのぼやき

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    ツリー・オブ・ライフ

    考えさせられる洋画

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    基本情報
    出演
    ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャステイン
    監督・脚本
    テレンス・マリック
    公開
    2011年
    あらすじ
    1950年代半ば、オブライエン夫妻は中央テキサスの田舎町で幸せな結婚生活を送っていた。しかし夫婦の長男ジャックは、信仰にあつく男が成功するためには「力」が必要だと説く厳格な父と、子どもたちに深い愛情を注ぐ優しい母との間で葛藤(かっとう)する日々を送っていた。やがて大人になって成功したジャックは、自分の人生や生き方の根源となった少年時代に思いをはせる……。製作も務めたピットが厳格な父親に扮し、成長したジャックをペンが演じる。第64回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した。

    予告編を見る

    感想

    こんな詩的で映画的な映画だったとは予想外でした。

    有名どころの俳優が出演していたので、きっと多くの観客の心をつかむために作られた映画だろうと思っていたのです。ところが、時系列はバラバラで、途中にナショナルジオグラフィックのような映像が続き、大きなストーリー展開が無い、というまさかの作品でした。個人的にはこういった類の作品だと思ってなかったので、虚を突かれてしまいましたね。しかし、観終わって色々考えてみれば、監督さんが目指したテーマは上手く表現されているんじゃない!?とも思えるようになりました。

    音楽や映像の感じから、最初はキリスト教系の話が中心軸の物語になのかなぁと思っていましたが(事実キリスト教の教えの話だと思います)、キリスト教については一切考えないで、この映画を考えてみたいです。だから自分の中ではこの映画は生命誕生と人間の成長を、アメリカの典型的な家庭を通して描いた作品として解釈しています。

    この映画を観ている時は時間的な繋がりがありそうで無いエピソードがずっと続き、混乱するのですが、観終わってハイライトを思い描いているとなんとなくその作品の実像が見えて来ます。

    この映画で最も重要な点はやはり長男と父親の関係性です。これはフロイトが説いた「エディプス・コンプレックス」そのものだと思います。


    エディプスコンプレックスとは息子達が父親に対して抱く、憎悪と憧憬の入り混じった複雑な感情の事です。エディプスコンプレックスによれば、息子というのは〔ハーレムの長で絶対的な権力を持つ父親〕を殺さなければ、自分がいつか殺されるという想いに駆られ、殺そうとします。しかし、いざ殺した後には父親に対する追慕の想いと、強い悔恨の念に駆られるのです。 そして、亡き父の遺愛の形見として母親や姉妹を神聖視して遠ざけるようになる。 つまりこれが、「近親相姦のタブー化の始まりだ!」というのがフロイトの精神分析の推論でした。


    このフロイトの説くエディプスコンプレックスの感情を人間が根源的に持っているかどうかはわかりませんが、この映画では息子であるジャックが厳格な父親を憎みます。父親が車の修理をしているシーンではとうとう息子が父親を殺すのか!?というひやひやするシーンもありました。しかし、息子には父親を憎む気持ちと共に自分と似ている点やその絶対的な権力に対する憧れもあったことも事実です。そういった相反する想いが彼の良くも悪くも内面的な成長へと繋がったのかもしれません。事実、彼は資本主義における成功を収めていましたし。


    20110822150146_original.jpg

    そして、彼の成長におけるもうひとつの重要な人間関係は弟と母親でした。厳格な父親とは違い、いつも優しく、そして、美しい母親。

    父親に似た自分とは違い、母親のように優しい性格の弟。

    同じ生活空間の中に居るにもかかわらず存在する違う人間達にジャックは何が自己にとって正しい規範なのかの答えを探しあぐねています。最終的にはジャックにとって、優しさや美しさを持つ存在でも父親という大きな存在の前ではその光はかすんで見えてしまっていますし、冒頭のシーンでの弟の死も「優しさ」のもろさを象徴した出来事でした。


    まとめると、父親に代表される厳格で冷淡な人間と、母親に代表される優しく愛に満ちた人間と、あなたはどちら側の人間になるの?という質問を観客に投げかけている作品なのかと個人的には思います。 ちなみに「厳格コースを選んだジャックも最後に救済されているから、あなたも安心して自分のコースを選択しなさい」と映画のラストを解釈するとそのように言っているのではないでしょうか。


    このように生き方を単純化して、人間の種類を2分化しているのが、とても古臭い考え方だなと思います。生き方すらも類型化してしまう事は果たしてキリスト教の意向に沿ったものなのかなぁ、と懐疑的になってしまいますね。

    しかし、そういうテーマの陳腐さを、この映画をしっかりと観て充分に考えないと感じさせないところは編集や役者の演技の凄いところなのかもしれませんね。とくに幼少期ジャックの少年役の子はどちらに転ぶのか分からない危うさを上手く表現できていたと思います。


    ただやはり、キリスト教の素養なくして、この映画を100%理解する事は不可能だと思います。たぶんところどころナレーションが入っていた聖書の一節がとても大事なんですね。でもああいうナレーションは全然耳に残らなくて、やっぱり混乱しちゃうんですよね。

    この映画には地球と生命を絡めたもっと壮大なテーマもあるはずなんですが、未熟者なので上手いこと理解できませんでした。

    正直、体調が悪い状態でDVDで観てたら途中で寝てたかもしれません。でもこれだけ有名な役者で固めているにもかかわらず、わかりやすさに迎合しない気合いを感じます。また色々と考えさせてくれる映画なので、大作にしては稀有な存在だし、ハリウッドの懐の深さを知りました。また、自分の想像力不足も知ったし、色んな意味で素晴らしい映画だと思います。

    20110822150406.jpg
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