えんためのぼやき

映画 鉄コン筋クリート

アニメ

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基本情報
出演
二宮和也, 蒼井優
監督
マイケル・アリアス
原作
松本大洋
公開
2006年
あらすじ
義理と人情とヤクザの"地獄の町"<宝町>。自由に飛び回る<ネコ>=2人の少年、クロとシロのたったひとつの住処。 しかしそこへ、開発という名の地上げ、ヤクザ、暴力、実態の分からぬ"子供の城"建設プロジェクト、 不気味な3人組の殺し屋の影、そして、<ヘビ>と呼ばれる男が現れ、町は不穏な空気に包まれる。宝町が大きく動くとき、二人の運命も大きく揺り動かされる―

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感想

以前テレビで観たような気がしますが、ほとんど覚えていなかったので、これが初見ということにします。 原作の漫画も未見です。 この映画のストーリーははっきり言って万人受けしないものです。シロとクロという子供のキャラを通して、善と悪、光と闇を浮き彫りにさせる構造はわかりやすい形で提示されています。しかし、クロが闇(イタチ)にひきずられていた理由は?シロの存在理由って何?とスッキリ完結しない所があり、物語のわかりにくさをもたらしています。


細かく考えてみると、「俺は貴様の照らした影じゃない」というイタチの言葉からわかるとおり、表面上は無力なシロを守るクロがいて、それがクロの生き甲斐でもあり、存在理由でした。しかし、本質的にクロはシロに対してある種の劣等感を抱いていたのではないでしょうか? すなわち、シロ(光)がいなければクロ(闇)は存在できないという、無意識のうちの劣等感を持っていたのです。


そんなクロがシロと隔絶された時、クロの中にあった劣等感や絶望を覆い尽くす混じりけのない闇である妄想世界の住人であったイタチが現出してしまいました。クロがシロへの依存状態を断ち切るために、クロが自分自身で存在理由を見つけられるために、イタチがクロをダークサイドへと誘うのでした。


クロが闇に飲み込まれているシーンは絵的にもスゴイどんよりした感じで、引き込まれる場面です。 一見してイタチは悪魔のような存在です。 しかし、考えてみるとイタチってクロにとって別段悪い存在ではないのかなとも思います。警察にもヤクザにも一目置かれていたクロにとって正義とか不正義とかって確かなものではないはずだし、自分のものだと思っていた街はどんどん変化していくし、結局のところ人間が理想とする秩序や規範律は宇宙の無限大の闇に広がる一筋の光の様な存在でしか無いのかもしれません。現実問題として、光であっても強力な重力に引き込まれるし、光では観測できない暗黒物質が空間を漂っているわけだし、光よりも速い物質があるらしいし…


このように何一つ確かな事はないですが、何かに折り合いをつけないと生きずらい世の中であることは間違いありません。ダークサイドに落ちても、潔白な人間になっても、何らかの生き方の選択をすることは中途半端よりはいいのかもしれないですね。


ここまではストーリーの話でしたが、次は大いに話を脱線させて考えてみます。

この映画の絵の世界観は個人的には大好きでした。全体的にセピア色の懐かしい感じと、アニメらしい非現実感がすごく好きです。

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でも逆にこういうアニメが嫌いな人って沢山いるはずで、自分がこのアニメの感じを好きな事には何らかの原因があるはずです。その原因を探していると、小学生の頃、あるショップの店頭でお試し版として置かれていた、ドリームキャストのゲーム「ジェットセットラジオ」で遊んでいた事を思い出しました。このゲームの世界と鉄コン筋クリートの世界が少し似ている気がします。


動画はドリームキャストではなくXbox360で発売された続編のPVです。

ジェットセットラジオはインラインスケートで街中を駆け回り、街を自分達のグラフィティでいっぱいにするというファンキーなゲームでした。町の雰囲気や自由度にハマっていたんです。


だから何?って感じですが、言いたい事は幼少期に経験した事って、知らず知らずのうちに、その人の基礎になってるよねってことです。


僕が生きた時代は日本産ゲームが隆盛の時代でした。特にRPGは面白いものばかりです。そういったゲームで幼少期によく遊んだ人って、おそらく色んな映像表現を受け入れる耐性がついているのかなと思います。特にゲームに近い、SF物やアニメなどは受け入れられる人が多いと思います。ゲームでは自分がゲームの世界の住民になり、自分が主体となってその世界を体験していきます。つまり、現実世界とは違う世界にも容易に意識を持っていく事に慣れてるわけです。


だから、アニメを実写と同じ感覚で、見ることが出来るんだと思います。でもその分、チープな実写を見た時に、げんなりするんでしょうね。

今の時代は幼少期に体験する事や目にするものがあまりにも多様化しています。だから、その人の基礎になるものがあまりにも別々です。なんでも吸収してしまう子供を恐れて、教育環境を囲う親もいれば、なんでもしなさいと放任する親も居たりして、それがますます世代間の歪を生んじゃって…

だから挙国一致のトレンドを作りだすことは難しいでしょうね。というか、あと10年したらもう色んな事が変化すると思います。人が変われば社会が変わるはずですから、それこそリーダーシップの取り方、消費の動向、教育制度、働き方、生き方全てが変わるかもしれません。


何一つ確かな事はない。確かな事は何かを選択して、何かの可能性を捨てなければならないということ、ゲームの様にリセットは出来ない。

と社会科学者の様な陳腐な事を言って終わりたいと思います。

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なによし said:

No title

はじめまして、なによしと申します。
鉄コン筋クリート、以前漫画の方をチラッと見てみたのですが、正直、よくわからなくてきちんと読んでいませんでしたが、映画になっていたことを初めて知りました。
漫画の方をキチンと読めば理解できたのかな・・・とも思いましたが、いかんせん気が短いタチでして、気に入らないものは手を付けず終いです^^;

応援に全ポチしておきました!
私は自作詩とイラストをメインに、変な妄言日記を書いているので、お暇なときにでも覗いてくれれば嬉しいです!
ぷっつん said:

No title

コメントありがとうございます!
漫画となるとあの絵の感じは長く読み続けられないかもしれないですね。
変に期待せずに、忘れたころに見るといいかもです!

応援ありがとうございます!
ブログの方覗かせてもらいます。
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