EXIT Through The Gift Shop
知り合いの方にお勧めされたのでシネマライズにて見に行きました。 予想に反して、面白かったです! 途中からこの映画の方向性が見えてきてからの、流れがとてもシニカルでした。
中心人物はティエリーという映像オタク。 彼がグラフィティアーティストに興味を持ち、四六時中彼らに同行することで、 一過性のアートであるグラフィティを映像という記録に残していく物語。 のはずだったのだが、、、
最終的にはティエリー自身のサクセスストーリーの本質に迫った物語であった笑
バンクシー達は長年の活動によって、グラフィティを「低俗な落書き」から「高尚なアート」へと世間の認識を変えた。それは彼らのたぐいまれなる才能と行動力の賜物である。その下地に上手く乗っかったのがティエリーであった。彼の凄いところはバンクシーのような天才を直近で見てきたにもかかわらず、自分も同じ土俵に乗れると信じたところだ。いったいどこからそんな自信が出てきたのか?おそらくその自信はアーティストの映像を撮り続けた事で、他人の記録を自分の記憶と混同したのではないだろうか?
いや待て、彼はただのド天然な人間なだけかもしれない。きっとそうだ、そうじゃなければバンクシーが映画にしようとは思わない。著作権だのとうるさいアメリカ社会で、他人の作品にちょっと手を加えた作品を自分オリジナルの作品だと堂々と宣言できる図太さを持った人間が他にいるだろうか?
案外たくさんいるかもしれない笑。しかし、その姿を他人が見てシニカルに笑い飛ばす事が出来るのがティエリーという存在であるならば、彼は唯一無二の存在であるはずだ。
彼が「Life is Beautiful」という文字をしたり顔で描く姿に、なぜかくすくす笑いが起きてしまう現象、 これこそがバンクシーの仕掛けた今映画でのいたずらであった。
また、バンクシーらの様な天才肌のアーティストにとってはたくさんの教訓に満ちた物語に違いない。 どんな文化も広く普及してしまえば、誰でも受け入れられるサンクチュアリではなくなる 誰にでもグラフィティアートへの参加資格はある、しかし、アートと名乗る以上、最低限のルールとレベルが求められるという事がはっきりした。
この映画はグラフィティがアングラからポップカルチャーへと変化していく先のルールブックのような意義を持っているかもしれない。 ありがとうティエリー。あなたの生き様そのものが芸術的だ笑
個人的にはバンクシーについては以前TED.Talkで彼のヨルダンでの創作活動が取り上げられて知ってはいましたが、この映画ですごいファンになりました。 彼の創作もさることながら、凄く常識人であるところも魅力的です。 この映画の公式ホームページの彼のインタヴューでその人物像が垣間見られます。
あなたの作品に商業的な価値がつけられていることについて、どのようにお考えですか? 贅沢品として売買されることはあなたにとって問題ですか? 僕の弁護士が言うには、建造物に対するヴァンダリズムによって僕が警察に訴えられることはほとんどないという。なぜなら、彼の理屈では僕の作品によって建造物の価値は下がるというよりもむしろ上がるはずだからだ。ちなみにこの弁護士は、アメコミのスーパーヒーロー柄のネクタイを好むようなやつだけどね!インタビューより
バンクシーと冗談を言い合いたいです笑
バンクシー作品たち


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